50年前の音
あるピアニストから、50年前の録音をCDにダビングするという依頼を受けた。
当時はオープンテープ全盛期なので、
当然オープンテープからのダビングというミッションだ。
それでも後生大事に記録として保管している
人もいる。
しかし、それを再生するデッキが無いのが現状。
オープンテープは、録音スピード、トラック数などいくつかのパターンで
録音することができる。
そのため、再生するにはどのような条件で
録音されているのかということが最重要になってきます。
写真のプロ機は2トラック仕様ですが、なんと持ち込まれたテープは
4トラックで録音されていました。
2トラックだと一方通行ですが、
4トラックは往復になり、反対側の音が逆回転で再生されて、
表の音と
一緒になって聴こえてきます。
こうなるとお手上げですが、内容をよく聴くとNHKの放送用のテープ
らしく、
行きにピアノ演奏、帰りに英会話が入っていて、ラジオの放送用のようで、
モノラルで録音されていた。
そうなると、逆回転の英会話講座のチャンネルを切って、
ピアノ演奏のチャンネルをCDのLRチャンネルへ
ダビングすれば良いわけです。
50年前にこれを録音したNHKの技術者が、50年後にそれが再生され、
デジタル信号でCDメディアに残されることなどと、思いもしなかったことでしょう。
50年という時代の移ろいに思いを馳せることに・・・・・・。
2013/10/31
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