音の深淵へ・・・
ヴァイオリンの辻井淳さんのレコーディングが終了した。
3日間にわたり、音の深淵を極める時間が過ぎていった。
CDのフォーマットは30年以上前につくられた、
サンプリング周波数44.1kHz 16ビットという、
デジタル全盛の、今の世の中から見たら、いささか古い規格でできている。
その規格のなかで、『何が出来るのか?』『何をやるべきなのか?』ということを
毎回考えさせられる辻井さんのレコーディング現場。音楽も技術も、ある時は哲学さえも
それに反映させていく姿勢・・・・・・。いつもながら『音の深淵』を垣間見ることになる。
人間は有りとあらゆる制約のなかで生きている。規格という制約の中で、
芸術も表現していかなければいけないのだ。
毛細血管のような選択肢のなかから、ベストを見いだす作業・・・・・・。
過去のデータはあるが、いままでの概念は一旦すべて捨てて始めます。
それは、同じ場所ではないからです。同じ演奏家ではないからです。
同じマイクではないからです。同じ楽器ではないからです。
これらの変化をキャッチできるのか、はたまたできないのか・・・・・・。
ここが勝負の分かれ目です。
演奏家、ディレクター、エンジニア・・・・。
それぞれの熱い戦いはつづく・・・・・・。
2013/8/8
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